【2022年国際男性デー記念】今年読んで面白かった男性とフェミニズムを扱った本について
更新は20日になってしまったがこれを書いている本日11月19日は毎年「『国際女性デー』はあるのに『国際男性デー』はないのか。」と言われるのでお馴染みの『国際男性デー』です。お馴染みと言っても僕もそういったものを意識するようになったのはここ数年。正直なところ『国際女性デー』を通じて知った日でもあります。そして過ぎてしまった。
そもそも『国際男性デー』ってどんな日なのだろう。と思って検索してみたら
国際男性デーの目的は、男性と男の子の健康に注目し、性の関係を改善し、性の平等を促す肯定的な男性のロールモデルに光を当てることを含んでいる。
Wikipediaより
とのこと。今年は男性とフェミニズムについてを扱った本を何冊か読んだ年でもあったので、それについて少し書こうと思います。紹介する3冊はどの本も男性のフェミニズム入門の1冊としておすすめです。
① チェ・スンボム『私は男でフェミニストです』
「男なのに何でフェミニズムの勉強をしているの？」
「男だからよくわからないんです。学ばないと。」
そんなやりとりから始まる、タイトルの通り韓国で教師をしている男性・フェミニストである著者によるエッセイ。エッセイなのでとにかく読みやすい。読みやすいからわかりやすいし、2段組で下の段には注釈が入っており、ググるよりもはやく単語についての説明を読むことができるとにかく読み手にやさしい1冊。
帯には「フェミニストでないひとたちをどう呼ぶか？セクシスト（性差別主義者）というのだ」と書かれており、フェミニズムとはなんぞや。から、私（読者）はどうありたいか。どうあるべきか。を考えさせられる。個人的にはフェミニストでなければセクシストというのはやや言葉が過ぎている気はしなくはないが、グラデーションの中でどちらに寄っていたいか。ということであれば答えはあってないようなものだと思います。
『フェミニズム』が何なのか。男性が最初に考えるならまず手に取るのにおすすめです。
② 澁谷知美 清田隆之 編『どうして男はそうなんだろうか会議』
いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと（帯コピー）
編集者（という呼び方でいいのかしら）2人と6人のゲストによる6つの鼎談集。話を聞いているように読み進められるので読みやすい。「どうして男はそうなんだろうか」と言われると理由もなく責められるような気になるかもしれないが、その理由、ちょっと話し合って考えてみませんか？といった1冊。
「非モテ」「男性性と暴力」「現在の社会が男性み持たせてしまっている『構造的優位』」「差別」「マチズモ（男性らしさ）」…様々なキーワードからどうして男はそうなんだろうか。いまよしとされてる社会の価値観そのものを疑うべきなんじゃない？と視界が開けるような気がしました。
男性で生きづらさを感じているならその呪いを解く力と知恵になるのではないでしょうか。おすすめです。
③ ミン・ジヒョン『僕の狂ったフェミ彼女』
初恋の人に再会したら、フェミニストになっていた!?（帯コピー）
扱っているテーマこそ重いが、文章は軽やかで1日で読み終えてしまったくらいには読みやすい小説。主人公の「僕」を通じて数年ぶりに再会し「フェミニスト」になっていた「彼女」を描く。読み手がどれだけ作中の“違和感”に気付くかが問われるリトマス試験紙のような1冊。
韓国フェミニズム小説と聞くと『89年生まれ、キム・ジヨン』がまず挙がるだろうが本作はキム・ジヨンよりもエンタメ度が高く、“男性が読む”ことにもとても意味があると感じたし、とにかく面白い。“フェミ彼女”という悪意のあるタイトルもいい。読んでいると数年前の自分が作中の「僕」と重なることが何度もあり、それはとても居心地の悪い読書体験でもあったのだが面白いが勝手しまう。市民が権利を勝ち取ってきた韓国の歴史を踏まえて読むと韓国でフェミニズムが高まる理由もわかる気がします。
物語を通じて「フェミニズム」や「フェミニスト」について知りたいのであればおすすめです。
まとめ
今年読んだ本から3冊紹介させていただきました。僕はこれらの本を読んだからといって何かフェミニズムがなんたるかとか知った気になるつもりはありませんが、読む前や知る前の自分よりは幾分かマシなんじゃないかな。と思うようにしています。昨日よりもマシな人間になりたい。
先日もTBSラジオのアトロクで宇内アナが話していた『これからの男の子たちへ』とかも読みたいんですが、いかんせん本を積みすぎている。
とにかく『国際男性デー』、過ぎちゃったけどこういうのをきっかけにちょっといままで手を出してなかったけど手を出しでみようかな。と思っていただけたら幸いです。
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