【映画感想】RRR【植民地支配に屈しない魂の物語】

※この投稿にはネタバレが含まれます

ちょっと前の投稿でも書いたが、ラージャマウリ監督の最新作『RRR』を楽しみに待っていた。

3時間の長尺と聞いていたので朝は餅を6個食べた。6個食べるとお腹もいっぱいになるし映画の最中も全く尿意を意識しなかったのだが、夜まであまりお腹が減らなかったので量は考えものであった。3,4個くらいがちょうどいいのかもしれない。

さて『RRR』、IMAXで鑑賞したのだが、やはり大迫力。IMAXで見てよかったと思う。3時間という長尺に対し、IMAXスクリーンの通常スクリーンよりも椅子が少しふかふかしている。という点においてもIMAXは“正解”であった。

肝心の内容はというと、凄まじかった、まずなんだかとんでもないものを見た。という感情でいっぱいになってしまった。

あらすじは1920年代、イギリスによる植民地支配下にあったインドを舞台に強い意思、異なる目的を持った2人の男が出会い、友情を築き、やがて互いの正体を知り敵対し…といったところだろうか。

3時間の上映中何度「すごい映画だった。そして3時間あっという間だったな。」と思ったか。クライマックスとしか思えないシーンが少なくとも本当のクライマックス含め3回はあったと思う。マッリを救ってビームがラーマを殺せずに去るシーン、今思い返すとそこで終わるわけないだろう。と思うのだが、3時間もあって集中しているとやはり2時間越えたあたりから時間の感覚はわからなくなり「なんてビターなエンドなんだ…!好きだ…!」と思うに至ってしまう。蓋を開けてみればビターなエンドなんかではないし、その後ラーマはラーマ神かのような姿になり、物語は本当のクライマックスを迎えるのだが。

もうとにかくスゴい。としか言いようのないアクションがひたすらに続くのだが、個人的に今回揺さぶられたのが「植民地支配に対する怒りや憤り」を徹底的に描いたこと。

植民地支配を、それをしたイギリスを悪と描きながらそれを否定的に思っているジェニーを描くことで全てのイギリス人を悪だとは思っていない。という意思表示、もちろんものすごく政治的だとは思うのだが、バランス感覚が凄まじい。そしてエンタメど真ん中でめちゃくちゃ面白い。たぶん、いや、おそらく日本でこんな映画作れない。と、思ってしまった。

日本はイギリスと同じく歴史的に植民地支配をしてきた側なのだが、そういう話ではなく、歴史と神話を掛け合わせたエンタメ映画を作る。となったときに本作のようなパワフルな映画を作ることはできないではない。バーフバリのときにも感じたはずだが圧倒的な「差」のようなものをガツンとくらってしまった。日本映画回が劣っている。ということが言いたいのではない。が、ここまでのものを照れずにまとめあげ、劇場公開に至るまでのことができるだろうか。おそらくできない。

植民地支配という暗い歴史に対し、インドという国がどのように今日にまで至っているか。

ラーマはビームを通じ「武器を必要としない革命(力)」を知ることになるがラストでは故郷の村に武器を届け「武器を必要とする革命(力)」に回帰している。これは国を変えるにあたって「非暴力」だけではなし得られないものがある。という歴史からの回答なのだと感じた。プロフェッサーXだけではない。マグニートーもときには必要なのだ。と。そこに関しては綺麗事は言わない。

インドの歴史にも神話にも詳しくはないので衝撃だけで文章を書いている。いまめちゃくちゃねむいので間違った部分もあると思う。しかし、とにかくこの映画はスクリーンで見るべき映画だと思う。思うが、インターバルでは休憩させてくれよ。あそこで休憩することでしか語れない「この先どうなるんだろうね」といった会話が日本各地であったはずなのは確かだ。一旦寝る。

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