ツイステッドワンダーランド『グロリアス・マスカレード』がノートルダムの鐘オタクを狂わせる

※アニメーション映画やイベントストーリープロローグのネタバレを含みます。

ここ数年、ノートルダムの鐘（ノートル＝ダム・ド・パリ）のオタクだ。

ディズニーアニメーション映画から入り、劇団四季のミュージカル、100分de名著を見て副読本を読み、トキメキ夢文庫と岩波文庫版を読むくらいには好きだ。（注：これはオタクマウントではない）

物語そのものも好きなのだが、アニメーション映画から入ったのでやはりディズニーのアニメーション映画、そしてそれをより原作に寄せた劇団四季のミュージカルが好き。

ツイステッドワンダーランド（以下ツイステ）のオタクは必ずしもディズニー作品のオタクではないと思うのだが、『ノートルダムの鐘』という作品を聞いたことはあるかもしれないが見たことがある人は必ずしも多くないと思う。今までモチーフになっていなかったので当然だ。

好きだオタクだ。と言っておいて、見たことがある人は多くないとなぜ思うのか。理由は簡単で、物語が重く暗く陰湿で面白そうじゃないからだ。実際、声を出して笑うタイプの面白さはない。主人公は報われないし、人によってはハッピーエンドには見えないだろう。

しかし、ノートルダムの鐘はそんな重く暗く陰湿な物語がからこそ、生きるとは。人を愛するとはどういうことか。醜さとは、怪物とは。といったことをひたすら投げかけてくる作品である。劇団四季のプロモーションVTRで使われている『何が人を人間にし、何が人を怪物にするのか』という言葉はこの物語を端的に表現している素晴らしいコピーである。

ディズニーのアニメーション映画はそんな暗い物語を、素晴らしいアニメーションとアラン・メンケンによる素晴らしい楽曲であしらわれた奇跡のような映画でもある。なんでディズニーがこんな陰湿な物語をアニメーション映画にしようと思ったんだよ。という気持ちは常にあるのだが、90年台ディズニー・ルネサンス期末期、色々あったのだろう。

さて、ツイステでそんなノートルダムの鐘をモチーフにしているとしか思えない新イベント『グロリアス・マスカレード』が始まった。

ツイステも好きでここリリース当初から細々とは追っていて、スカラビアのオタク（ジャミル推し）やらせてもらってる。

https://youtu.be/Jd4MBFN9o94

もうアニメーションPVの時点でやばすぎる。あまりにもノートルダム。上の劇団四季のPVとも見比べてると笑ってしまうくらいにはノートルダムだ。いや、笑っていない。震えている。

ディズニー作品を扱ったゲームは数あれど、キャラクターの出演だけでなく世界観そのものを扱った作品があっただろうか。いや、わからない。ディズニー作品を扱ったゲーム、ほとんどやってきたことなかった。やったのツムツムとキングダムハーツくらいだ。

違う。そうではない。ツイステッドワンダーランドというド級のメジャーオタクコンテンツでノートルダムが扱われると思っていなかったのだ。そりゃ密かに願ってはいたがこんな大々的に扱われるなんて。しかもちょっとモチーフに使っていますよ。という感じではなく明確に『ノートルダムの鐘』をモチーフにしたイベントである。

振り返ればチェーニャやネージュといったナイトレイヴンカレッジ外にもディズニー作品モチーフキャラクターはいたが、フロローをモチーフにしたキャラクターが出てくるなんて想像もしていなかった。願ってはいたが、現実にそれが起こると別問題である。えらいこっちゃ。

プロローグまでは見たので軽く感想など書いていこうと思う。

待機画面がすでにやばい。ここがノーブルベル…そこにあるフロローの像…執拗にジプシーの女性を追いかける最悪のシーンをモチーフにしているのかしら…

フロロー、ディズニーヴィランズの中でも最悪の部類に入るキャラクターだと思っている。レイシストでミソジニー、愛に飢えたただの人間。最悪のヴィランであり、人によってはシンパシーすら感じるキャラクターでもあると思う。特に原作や劇団四季版のフロローは聖職者というものもあり何よりも愛に飢え愛を恐れる姿には多少の共感すら覚える混沌とし稀有なキャラクターである。